久美子と同学年だが3年の春に福岡の星羅女子高から転校してきた。担当楽器は久美子と同じユーフォニアム。
久美子と同等かそれ以上の演奏技術を持っている、
黒江真由に同情的な意見
真由は入部直後から、
・やるならユーフォがいいんだけど、自分のせいで誰かがほかの楽器に移るのは嫌。
とか
・自分がオーディションで選ばれちゃうとずっと北宇治でやってた人のポジションを奪うことになっちゃうから辞退出来ないかな?
など聞きようにっては自信過剰、自意識過剰ともとれる発言を繰り返した。
それでファンの間には主人公の久美子と同じユーフォ担当で敵役になると思われ、嫌いなキャラとなる要素もあったのだが、話が進むにつれてその評価は二転三転する。
まず夏合宿での関西大会メンバーでのオーディションで真由がソリに選ばれると、怒涛の「辞退しようか」botが始まり、それは全国大会前のオーディションまで続き真由は腹黒キャラのレッテルを張られることになる。
しかし、全国大会前のソリ再オーディションの時に久美子がついに真由の過去を聞き出す。
真由と一緒に音楽をやってた友人が真由に勝てないことが続き音楽を辞めてしまったのだ。
皆で合奏を楽しみたいという言葉はその時の経験からきた本心の言葉だったと僕は思っている。
黒江真由とカメラ
黒江真由はお父さんのお下がりだというフィルムカメラを愛用しており、あがたまつりや夏休みのプールでみんなを撮影するシーンが見られた。
その際見られたのは人を取ってばかりで自分は全く映らないという姿勢だった。
カメラが趣味なら主にとる側に回って映らないのはわかるが、全く映らないというのは不自然である。ピントや絞りの調整が必要な一眼レフならともかくコンパクトフィルムカメラなのだから後輩にでもカメラマンを代わってもらって多少は映るものだろう。
それでも真由は久美子が無理に言って最後にセルフタイマーで撮った1枚以外写ってなかったようだ。しかもその1枚も「現像に失敗した」と持ってこなかった。これは普通に考えて不自然だ。
自宅の暗室で現像してるならともかく写真屋に出して失敗されることなどありえない。
他の部員に見せたくなかったと考える方が普通だろう。
どこまで真由が加写真に写りたがらなかった、自分が写った写真を見せたがらなかった原因は何だろう?
心理学的に写真に写りたがらない人の特徴には以下のものがある。
①自己肯定感の低い人
②他人からの自分の見え方を気にする人
③理想の自分と現実(周りから見える)自分との間にギャップがあると考えている人
黒江真由はどれに当てはまるだろう。彼女は「突然やってきた転校生が部長からソリの座を奪うと部員がどうおもうか?を気にしていた。②の他人からの目を気にするタイプだろうか?
真由はかつて友達が彼女にオーデションに負け続けたことで音楽を辞めてしまった過去を持つ。
彼女はその友達ともずっと音楽を続けたかったのだろう。③の理想の自分と違う自分になったトラウマが写真写りを嫌う原因ではないかと考えている。
まとめ、黒江真由はどんな人?
僕は黒江真由は優秀なユーフォ奏者であることは間違いなく、
この「響け!ユーフォニアム」の3年間の最後の年に全国金を取るための最後のピースだったと思っている。
滝先生は毎年メンバーが入れ替わる高校の吹奏楽部を育てることを、「賽の河原で石を積んでるよう」と例えていた。それに対して亡くなった奥さんが言ったのが「石じゃないよ、人だよ」でした。
その言葉通り北宇治で2年間人材を育ててきた滝先生だが、3年目はやはり期するところがあったはずだ。そこに転入してきた黒江真由に会っておそらく滝先生の中では全国金への青写真が出来たのではないだろうか。後藤夫妻の卒業で薄くなった低音に田中あすかや中川夏紀の穴を埋めて余りあるユーフォの才能が入った。
最も不安があり、強化したい部分でもある低音に厚みが加わった。
他パートはというと、大磐石の高坂麗奈に加え小日向夢もいるトランペットパートはもちろん、天才みぞれは卒業しても後継の梨々花を育ててくれ、オーボエファゴットパートも安泰。
竜聖の月永源一郎しかり、優秀な吹奏楽指導者ほど低音を重視する。滝先生も同様だろう。
大ベテランのあすかが抜けた前年こそ、新人の奏と中川の二人がかりであすかの穴を埋めてくれた。その中川が抜けた今、久美子と奏だけではユーフォに不安が残る。
チューバに新1年生が入ったとはいえ加藤含め初心者が多く人数増やしても不安が固る。
となると久美子と2人で十分編成が組める真由の加入はまさに滝先生にとって、ずっと積んできた石(人材)の中の要石がそろったという感じだったろう。


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